株式会社MIYAVI

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【最先端電池】全固体電池とは一体何?

 

はじめに

皆様こんにちは。今回は全固体電池についてのお話です。全固体電池はEV車の電池に搭載されることが期待されている最新技術であり、重要なものなので自分の学びも含めてお伝えさせてください。前回の記事です⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

 

そもそも全固体電池とは何?

全固体の固体とは何が固体なのでしょうか?答えは電解質」が固体になった画期的なものです。

電解質とは電池の中にある電流を伝えるもので、広く一般的には液体が主流でした。そもそも電池の中で電気が生じる仕組みは、液体の電解質内をイオンが負極から正極に流れることで電気が流れます。

 

電解質をプール、イオンが人、負極がスタート、正極がゴールだと考えれば、人が25メートルプールを泳ぎ切ることで電流が生じると理解してもらったほうが良いですね。

水泳

この液体の電解質が入っている電池はリチウムイオン電池と言われており、携帯のバッテリーや、今では多くの乾電池にも使用されています。アルカリ乾電池が有名ですが、リチウム乾電池も多くあります。

 

ただ電解質液体だと、液漏れや発火事故が起きやすいというデメリットがあり、その点が懸念されています。しかし全固体電池は電解質固体ゆえ、発火リスクも少なく、もちろん液漏れもありません。

 

現在販売されているEV車にはリチウムイオン電池が搭載されていますが、やはり車が発火するのは怖いですよね。そこで2021年11月の「Web Summit 2021」で紹介された固体電池はリチウムイオン電池に取って代わる技術として広く知られました。

 

水泳の例がリチウムイオン電池だとすれば、全固体電池は25メートルプールが冬ですべてカチコチに固まってしまい氷の塊になったと想像して下さい。すると、スケートのようになめらかに、そして泳ぐより遥かにゴールできますよね。

スケート

このように全固体電池は早い、そして安全であることはもちろん、軽量であることも利点として挙げられます。軽量という利点については、軽量であればあるほど、燃費(電費)が良くなりEVの航続距離が伸びるという利点にもつながります。

 

全固体電池の課題

全固体電池は画期的なものですが、課題はあるのでしょうか?実はいくつか課題はあります。

  • 寿命が短いこと

  • 早期量産が難しい

以上の2つが挙げられます。

懸念

 

寿命の短さ

低寿命なのは全固体電池を長く使う中で、何度も「充電しては放電して」を繰り返しているので、固体電解質と負極活物質の間に隙間が生じてしまうことが要因だそうです。イオンが負極と正極の間を通りにくくなり電池の劣化を促進してしまうと言う理論です。

 

さきの例で言えば、人(イオン)が固まった氷状の25メートルプール(負極から正極までの距離)をスイスイとスケート靴を履いて走れば良かったものが、隙間ができることで氷と氷の間に亀裂ができ、分断されてしまい、ゴール(正極)にたどり着く人(イオン)が少なくなってしまうといったイメージでしょう。イオンが正極にたどり着かなければ当然電流も流れません。

流氷のようになってしまえば渡りづらくゴールできる人は少ないですよね

早期量産への課題

1つ目の寿命が短いという課題が克服されなければもちろん早期量産は難しいですね。これはトヨタが2021年9月に、EV向けの全固体電池の量産時期について言及せず、HEV向けの量産にとどめることを発表していました。

トヨタは全固体電池を自動車メーカーとして真っ先に取り組み先頭を切っており、そのトヨタ難しいという発表をしたことでまだ時間はかかることが予想されています。ちなみに日産は2028年度に量産すると言っているが、あと6年後というと、世界に対して日本のEV普及が遅れてしまう要因にもなりかねないと指摘されています。

 

 

各企業の全固体電池への取り組み

日産

2022年1月27日付けの日経新聞には、日産、三菱、仏ルノーが共同で車載電池の確保に向けて協力すると発表したとあります。全固体電池を日産が開発して、同3社のEVに搭載すれば世界シェアも伸びガソリン車並みに安くできることを狙っている模様です。3社は合わせて230億ユーロ(約3兆円)を投じて開発に専念するようです。

 

ベンツで有名なメルセデスは全固体電池を開発する台湾の輝能科技(プロロジウムテクノロジー)に出資すると今月27日に発表しました。
出資額は数十億円規模で、全固体電池を搭載する試験車両を完成させる予定だそうです。また21年には米ファクトリアルエナジーにも出資し、26年に量産を目指すなどメルセデスもEVに移行し始めています。

 

まとめ

今回は簡単ですが、全固体電池について調べてみました。25メートルプールを泳ぐのがリチウムイオン電池、スケートするのが全固体電池でした。しかしスケートの氷が分断されてしまうというのが全固体電池の弱点でした。


携帯電話の充電と一緒で、長年使って充放電を繰り返すとそれだけ劣化していきますから、そこを長く使えるように改良することが求められますね。


日本が全固体電池の技術で世界に先駆けることができれば、これからの日本の自動車産業も安泰となり、脱炭素も加速できると思います。今後が楽しみになりました。
最後までご覧いただきありがとうございました、ではまた明日です❗