株式会社MIYAVI

皆様への奉仕の精神で

【EV充電不要?】EVは充電するのでなくまるごと交換してしまう技術とは?

皆様、こんにちは。中国ではEV用のバッテリー電池を充電するのではなく、まるごと交換してしまうというニュースを見ました。今回はこのEVの電池交換事業について調べ、今後日本にも普及していくのかまとめていきたいと思います。前回の記事はこちらから⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

はじめに

EVはガソリンで走る代わりに車内に蓄電池を積んで、その電気を放電しながらエネルギーに変えて走行します。蓄電池なので、充電が携帯電話のように切れてしまう場合もあり定期的に充電をしなければなりません。そのために充電をするガソリンスタンドのようなものが、EV充電スタンドで、日本でも普及が急がれています。米テスラ社のように急速充電という15分から30分くらいで終わるものもあれば3時間以上掛けてゆっくりと充電する普通充電があります。

しかし、最近では車載電池をまるごと交換してしまう事業もあるのです。
車載電池は本来EVからは取り出さず、電気をスタンドから流して充電しますが、電池交換事業では車体の腹の部分に備え付けられた電池を機械が取り出し、満タンの蓄電池を自動装填してくれます。

この作業にかかる時間は長くて10分、3分ほどで終わる場合も多く、早ければ1分でもできると言われています。トラックのような大型車であっても、5分ほどで終わることもでき、EV充電スタンドの急速充電よりも圧倒的に早いです。乗用車で3分の時間なら、一般的なガソリンスタンドよりも早く済んでしまうことも多々あると思います。

どんな具合に交換されるのか、以下の動画を見てみて下さい。

これは米スタートアップ企業であるAmple社の車載電池交換作業をCMにしたものです。右側の少し厚みがある部分には満タンの蓄電池がおよそ48個入っており、適宜交換していく形です。

交換ステーションに入庫させて所定の位置に車を停めると、車が持ち上がり下の部分に機械が入り込んで新旧の蓄電池をすばやく交換されます。その後はステーションから出てまたいつも通り走行していけます。

去年の6月には、Ample社はENEOSホールディングスと、日本国内におけるEV向けの蓄電池交換サービスの提供に向けて協業を開始すると発表しました。今後日本でも広がっていく可能性があります。

中国での活動

上海蔚来汽車

Ample社はアメリカの企業ですが、電池交換事業においては中国が先進しています。中国には現在、北京、広東省浙江省を中心に交換ステーションが1298ヶ所もあるのです。そのうち上海蔚来汽車というスタートアップ企業は電池交換事業を先行しており、789ヶ所に展開しており、全体の60%も占めています。

ノルウェーショールームを設置するなど欧州にも進出し始め、22年末までに電池交換ステーションを欧州に20ヶ所設置する計画です。もちろん交換には3分の所要時間しかかかりません。充電スタンドが比較的普及している欧州でどのような比率になっていくのか楽しみです。

CATL

また、今年の1月18日の日経新聞には、中国車載電離最大手である寧徳時代新能源科技、通称CATLがEV電池交換に参入するという報道がありました。CATLの子会社の時代電服が「EVOGO」という名称で売出し、こちらは1分でフル充電状態が可能であることを特徴としています。

傘下の第一汽車が持っているブランド車「奔騰」に対応する試作品を作成し、他の自動車にも対応させていく見通しです。まずは10都市に配置し、3種類(200km、400km、600km)の航続距離分の蓄電池を選べるようにします。CATLは上海蔚来汽車と違い、充電スタンドを補う形で整備するようにしています。
あくまで充電スタンドを普及させて、その補助的に交換ステーションを用いるという考えから、交換ステーションに対する大規模な投資はまだ避けている「様子見」の企業戦略が伺えますね。

浙江吉利控股集団

ボルボ・カーの親会社でもこの事業を始めるかもしれません。ボルボ・カーの親会社で、中国自動車大手の吉利グループの浙江吉利控股集団は、去年だけで世界新車販売台数220万台を超えました。うち33万台は新エネルギー車で、来年度にはこの新エネ車販売をより拡大していくそうです。販路拡大と海外事業展開を強化、そして車載電池の交換ステーションの開設という3本を来年の柱に据え力を入れていきます。

欧州では吉利グループのポールスターが有名で、吉利グループの背中を追って今後も多くの中国企業が欧州進出や、電池交換事業に乗り出すことが予想されます。小鵬汽車、第一汽車集団は上海蔚来汽車と同様にノルウェーを足がかりにし進出します。長城汽車はドイツにあるミュンヘン国際自動車ショーに参加し、小型EVブランド「欧拉(ORA)」を披露しました。

インドでの三輪車

先日2月17日の日経新聞にインドで三輪車を電動化するという記事がありました。かつての日本でも昭和30年代くらいから三輪車はよく走っており、今で言う軽トラックの要領で用いられていました。

https://www.webcartop.jp/2021/10/779883/former_0168l-2/

そのインドでも多く三輪車は走っておりますが、環境意識の高まりから電動化を推進し始めました。その背景には石油輸入による貿易赤字の影響、デリーの大気汚染などです。マヒンドラ・アンド・マヒンドラというインドの企業は、電動三輪車を日本円で22万円で売出し、宅配サービスでの活用を想定しているようです。

こういったインドの電動化の流れに目をつけたのが日本のホンダです。
ホンダは車載蓄電池の交換事業をインドで始めると表明しました。今回の電池交換は主に鉛蓄電池ですが、それは三輪車を安く販売するのにリチウムイオン電池のような高価なものをマヒンドラ・アンド・マヒンドラが載せられなかったからです。そこでホンダは鉛蓄電池の、「安いが寿命が短い」という欠点を補うかのように、リチウムイオン電池のシェアリングサービスも同時に開始しました。使用量に応じた金額を徴収するという仕組みにして収益を得ていくようです。

おわりに

今回はEVの車載電池交換事業について見てきました。日本企業だとホンダが電池交換事業にインドで乗り出し、ENEOSもAmple社と協力関係を結んでいました。あのCMには日産リーフが使われていましたが、日産とも協力関係にあるのでしょか?

電池交換の需要については、短時間で交換できることが利点であることから、その需要を上手く取り込めるかだと思います。21年4月21日付けの日経新聞には機動力が必要とされるゴミ収集車に最適と書かれていました。たしかに充電スタンドで流暢に充電している暇はありませんし、電池を3分ほどで交換できるのは良いですね。

また、この交換ステーションは比較的場所を取りますし、都心だとどこに設置するのかという問題が出てきます。今あるガソリンスタンドの跡地に設置できれば良いかなと思ったのですが、少なくともあと数年から数十年後もガソスタの需要はあると思います。今後日本でも、「いよいよEV化が浸透してきて充電スタンドも充実してきたな」という時の、あとのタイミングになるのかなと思いました。あるいは、もしかするとホンダがインドで培ったノウハウを生かして数年後に日本でも展開していくかもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました、ではまた明日です❗

 

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

 

kuborichan.hatenablog.com