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【最先端の改造車!】コンバートEVとは?

皆様、こんにちは。以前テレビを見ていてガソリン車を改造してEV車にする技術について紹介しており、非常に興味深かったので、今回は通称コンバートEVについて調べてみたいと思いました。前回の記事はこちらから⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

概要

ガソリン車をEV化することをコンバートEVまたはコンバーションEV、あるいは反対にしてEVコンバージョンと称しています。コンバートは改造という意味ですが、ガソリン車で必要だったエンジンなどを取り出して、リチウムイオン電池鉛蓄電池などを搭載させてEV化させます。

特に需要があるのが、古い車種です。いわゆるビンテージカーは自動車税や重量税も重加算税も取られてしまいます。また部品が古すぎて調達できず、修理して長く乗り続けたくてもできないという問題があります。しかし、エンジンを電池にすることでEV化し、長く愛車に乗ることができるのが最大の利点です。そういった方々のニーズを集めてコンバートEV事業が成り立っています。

10年前の新聞記事から

2012年10月31日の日経新聞を見ると筑波サーキットで行われた日本EVフェスティバルについての記事がありました。そこでは4つの祭典が開かれ、電動カート(ERK)による耐久レース、見た目や華麗さを競う走行、大手自動車メーカー主催のEV試乗会、そして最後にコンバージョンEVによる耐久レースです。
10年前の耐久レースで入賞した上位5位までは、全てリチウムイオン電池が使われていたそうです。鉛蓄電池の時代が終焉を迎え始め、リチウムイオン電池の時代の過渡期を表していました。25台参加して11台がリチウムイオン電池だったそうで、大半は中国製でした。

記事を見て気になって日本EVフェスティバルについて調べてみました。この祭典を主催しているのは一般社団法人日本EVクラブでした。なんと設立年は私が生まれる前である1994年でした。そして翌年からは既にコンバートEVと電動カート、計11台によるサーキットが開催されていました。
コンバートEVは最近出てき始めた技術だと思っていましたが、28年前から行われていた事業だとは知りませんでした。

他の活動としては、ミゼットⅡをコンバートEVにしてバッテリー交換しつつ4時間も走行しました。

ミゼットⅡ

2001年には、メルセデスベンツのAクラスも改造してEV化し、約半年間かけて1万2000kmを走り、日本を一周を成し遂げました。

2009年には、ダイハツのミラをコンバートEVとして走らせ、途中充電なしで東京日本橋から大阪日本橋まで555.6kmを走り、EVの一充電航続距離の世界記録を達成し、ギネスに認定されました。翌年2010年にもテストコースを1000.3km走ってギネス記録に認定されました。

https://www.jevc.gr.jp/about-2/

各地域のコンバートEV

北陸

こちらは2011年11月25日の日経新聞の記事です。
北陸経済連合会と北陸産業活性化センターが協力してコンバートEV事業を始めるとのことでした。光岡自動車タケオカ自動車工芸、田中精密工業などが主力として開発を進めます。ただ、EVの部品供給のみの中小企業が多く、その方たちはEVのイメージがつかないので、説明するためにコンバートEVを一度見させることをするとのことです。当時はリチウムイオンバッテリーの値段が高く、コストの問題やエアコンなどの機能を失わないようにすると、最高時速は50km/時でした。

静岡県

静岡県は「ふじのくにEV・PHVタウン構想」があります。2013年8月1日には「富士山EVフェスタ」が開催され川勝平太静岡県知事が乗ったコンバートEVが実際に走行しました。また、静岡県磐田市NTNが協力してコンバートEV用のインホイールモーターシステム(車輪にモーターを組み込み直接タイヤを動かす仕組み)を開発しており、非常に積極的に取り組んでいます。

姫路市

姫路市はコンバート事業を推進しています。㈱コウメイという姫路市にある企業では、もともと新聞配達用のバイクを電動化したノウハウを用いてコンバートEVの事業を展開しています。㈱コウメイ以外であっても主に値段は300万円からと少し高いですが、愛車に乗り続けられますし、今後も修理部品が手に入らないということはほとんど無いと謳っています。

横浜市

2020年10月20日日経新聞には、横浜市営バスをEVに改造するという記事がありました。横浜市熊本大学が手を結び、ディーゼル車からEVバスへの転換をするというのです。そのEVバスは実証実験期間中に、横浜駅や市民病院などを通る坂道や利用者が多い5系統で毎日運行するそうです。EVバスには市販EVバッテリーを4つ搭載しモーターを2つ用意しているそうで、中古EVバッテリーでも十分能力があると話しています。

ビンテージカーのみならず、商用のバスも改造してEV化できるのは裾野が今後も広がっていきそうだと思いました。

岡山県

岡山県中部に位置する吉備中央町に両備HDの新工場が稼働します。13億円の投資をして、6500㎡の延床面積を要し、22年3月期には前年比+10億円の62億円の売上高を目指します。

その工場では大企業にはできない多品種・少量生産に力を入れ、レストアと呼ばれる老朽化した車を新車同様に復元する事業や、コンバートEV事業を中心とし、既に受注を受けているそうです。

 

www.ryobi-holdings.jp



おわりに

今回は簡単ではありますが、コンバートEVについて見てきて、各地域の取り組みを見てきました。個人的に驚いたことは10年以上前からコンバート事業を始めている企業があり、もっと言えば28年前から目をつけている団体があったことです。

また、主に企業が行っているのは一般車のビンテージカーのEV化ですが、業務用EVコンバージョン事業にも活路を見出している企業も実はあります。HKSという会社と台湾のシンモビリティーは液浸バッテリー(液体でバッテリーを冷やす方法で空冷の反対)で協業をしています。

液浸バッテリーは空冷バッテリーよりも液体が入っているので重たく、燃費が悪くなり航続距離が伸びず、大衆車には適しません。しかしその代わり、急速充電や厳しい環境に適しており、農機や建機、旧車といった今の車とはボンネット内の構造が違う車に最適だといいます。

このように今後ビンテージカー以外にも業務用のコンバートEVが広まっていくかもしれません。
需要が増え、効率的に事業が営めるようになれば、コンバートEVの費用がもっと下がり、新車を購入するよりもお手軽で、日本全体でEV化がより進むかもしれませんね。
最後までご覧いただきありがとうございました、ではまた明日です❗

 

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