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【今さら聞けない!】FIT制度って説明できますか?22年4月からはFIP制度も

 

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皆様、こんにちは。今回はこのブログでも何度か出てきたFITについて少し詳しく調べてみたいと思います。再エネ関係のワードということくらいは分かっていますが、詳しくはどんな制度なのでしょうか?ぜひ最後までご覧になって下さい。前回の記事はこちらから⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

 

概要

FITは再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度のことで、Feed in Tariffの略です。2012年7月に制定され、一般家庭や事業者が再生可能エネルギーを発電したときに電力会社が買い取るものです。そうなると電力会社が損する制度のようですが、実は買い取り費用は再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)として私達、消費者の電気料金に上乗せされています。

 

余談ですが、私が大学入学当時一人暮らしした時は電気料金の中に再エネ賦課金は含まれていませんでした。大学入学後時間が経ち、久しぶりに電気料金をふと見てみると普段よりなんか電気代が高くなっているのを発見しました。すると再エネ賦課金というものがプラスされて高くなっていることに気づきました。当時はよく分かっていなかったので、なんでこんなものがプラスされているんだよと少し腹が立ちました(笑)。

 

太陽光発電のFIT制度

今年1月28日の日経新聞には、経済産業省太陽光発電の買取価格を23年から9.5円にするという記事があった。23年から適用される制度では、

10kw未満は16円/1kw時での買い取り、
10〜50kw未満は10円/1kw時での買い取り、
50〜250kw未満は9.5円/1kw時での買い取りとなる見通しです。

2012年の整備当時は40円/1kw時だったのに比べるとかなり価格が下げられています。FIT制度に認定された発電所の電気は電力会社が主に20年間固定価格で買い取る仕組みだったので、40円で買取されている事業者もいるようです。
制度導入当時は再生可能エネルギー発電の普及のために高単価に据えられていましたが、現在では多くの事業者が参入していることから、
買取価格を引き下げて価格競争力をつけるよう促す狙いがあるようです。

さらに経産省は25年には9.5円から7円/1kw時に買取価格を下げる予定だそうです。

 

森トラストの活用例

今年1月28日の日経新聞に、森トラストと新電力のLooopは提携して太陽光発電所を全国に数十箇所を取得するというニュースがありました。

350億円の投資枠を使って、1〜2mw発電できる太陽光発電所を2〜3年以内に数十箇所取得予定だそうです。当面はFIT制度を活用して収益につなげる模様です。

2022.1.28 日経電子版

このようにFITは固定価格で買い取りをしてくれることから、収益安定化として貢献し、また固定価格なため将来の事業拡大の投資計画など道筋も非常に立てやすいという特徴があります。

森トラストはFITの固定価格買い取り期間が終了したあとは自社のオフィスビルやホテルに直接送電して利用する予定だそうです。FITの固定買い取りが無くなる頃には建設費などの費用も回収できていると思いますし、再エネ施設の普及には役立っていると思います。

NPCの例

今年1月6日の日経新聞の記事にもFIT関連の記事がありました。
太陽光パネル製造装置のNPCは遊休地でレタスの栽培を拡大させる計画です。
NPCは屋内でレタスを人工光を使って栽培するのですが、その電力の7〜8割は太陽光発電で発電した電気でまかなえるようです。

2022.1.6 日経電子版

NPCがレタスの栽培に使用している太陽光パネルは実は中古の太陽光パネルを使用しています。2012年から続くFIT制度では2030年代には買い取り期間が終了し、太陽光パネルの大量廃棄が見込まれます。

森トラストのように自社ビルなどに直接送電できれば良いのですが、そうともいかない事業者は廃棄してしまうことが見込まれ、その活用先としてNPCのような企業が再利用技術の活用で発展していくと思われます。

先の通りFITは主に20年間の固定買い取り制度なのでそれ以降は太陽光発電を辞めてしまう人もいるかもしれません。そこに目をつけたのがNPCであり、FITの穴を埋めるような活動をしてくれています。

FIPとは

FITに似ているFIPというものもあるようです。FIPとは2022年4月から始まる制度でその際、太陽光や中小水力など電源の種別によって、一定規模以上については、新規認定でFIP制度のみが認められます。
このほか、新規認定でFIT制度が認められる対象についても、50kW以上は事業者が希望する場合、FIP制度による新規認定を選択できます。

FIPはFeed in Premiumの略で、資源ネルギー庁のHPにはこのように書かれていました⬇

この制度では、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進します。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fip.html

FIP制度において、FIT制度では得られなかったプレミアムをもらうことによって、再エネへ投資するインセンティブが確保されます。

発電事業者は市場価格を意識しながら発電し、蓄電池の活用などにより市場価格が高いときに売電する工夫をすることで、より収益を拡大できるというメリットがあります。

冬や夏など冷暖房費がかさんだりする時期には電力需要は高くなり、売電価格も高くなります。そのときに売電することで企業はより収益を挙げられる構造になることが期待されたいます。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fip.html

まとめ

今回はFIT制度について見てきました。FIT制度では固定価格買い取りというのが保証されているので企業は収益安定化につなげることができ、投資計画も立てやすいという特徴がありました。

デメリットの部分については、NPCの部分で取り上げたように固定価格買い取り期間が終了後廃棄されてしまう可能性があります。また、「炭素ストックの変化を考慮しない」という点もありますが、そこは次回以降にバイオマス発電を取り上げたときに合わせて紹介したいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました、ではまた明日です❗

 

 

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