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【原発の小型版】小型モジュール炉とはどんなもん?安全?

皆様、こんにちは。今回は原子力発電の中でも小型モジュール炉についてまとめました。前回の原子力発電についてはこちらから↓

 

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概要

小型モジュール炉は今米国や日本、中国などが中心に開発を進め、他の世界各国も力を入れて開発に取り組んでいる原子力発電の形態です。世界が脱炭素にかじを切る中で温暖化ガスを排出しない次世代の電源として期待されています。小型モジュール炉は小型原子炉や、SMR(Small Module Reactor)と呼ばれています。

通常の原子力発電所は大型炉として知られており、100万kwの出力が出せますが、小型モジュール炉は3分の1~10分の1の出力規模となっています。
小型モジュール炉はIAEA国際原子力機関)では出力30万kw以下と基準が設けられており、モジュールと呼ばれる格納容器を12基並べて運転することで、大型炉と遜色ない発電をすることが可能です。

 


また、工場で部品を組み立てて現場で設置する方式で品質管理や工期の短縮ができるため、建設費が通常の原発より安くすむとされてます。

安全性に関しても小型なので事故時は自動で止まり、福島第一原発のときのように電源が止まると冷却できなくなるという心配がありません。

 

モジュールを最初からプールの中に沈めているので冷却され、火事が起きる心配がないとされています。

 

一方課題としてスケールメリット、つまり大型化によるコスト削減ができないということが挙げられます。工期は短くなりますが、例えば小型モジュール炉を10基建てるだけでも自治体との交渉にコストが掛けられてしまします。大型炉を上回るほどのコスト削減が期待できません。

また、核のゴミ問題は小型でも発生します。小型でも使用済み核燃料は発電を続ける限り存在し続け、処理方法と、廃棄場所の選定など議論により決めることが多くあります。

国ごとの企業活動

小型モジュール炉、SMRは冒頭、世界各国で開発が進められていると記載しました。具体的には以下の通りで開発が進められています。

・中国では商業用としてSMR1号機の工事が着工しました。2026年の稼働を目指しています。
・ロシアでは海上に浮かぶ船舶型のSMRを開発中です。2020年からすでに商業運転を始めています。実はロシアは1960年代からSMRの開発を進めており世界では先端を行く技術を持っていました。

アメリカではニュースケールパワーがSPACを使って上場し、エネルギー省も出資する460億円分の資金調達をして、2029年よりSMRの商用運転を開始すると発表しています。インフラ投資法案でも原子力産業を支援する予算が組み込まれ、今後ますます伸びていきます。
・フランスではかつて大型炉で失敗したオラノ(旧アレバ、旧フラマトム)を中心にSMRを複数導入する予定だとマクロン大統領が演説内で語っていました。
・イギリスはロールスロイスSMR開発に対して300億円を充てて商用化を急ぐそうです。

新興国では東欧、中東諸国と欧米、中国、ロシアで協力関係を取っていくそうです。
・日本では、政府が手動してSMRに取り組む姿が不透明なため、現在開発している日立、三菱重工業という民間企業がこの業界を牽引していくことが予想されます。

OECD2035年には世界で2100万kw分の発電能力を見込めるとしています。

まとめ

今回はSMRについて調べました。小型で、大型炉よりも安全性が高く工期が短いという特徴があり世界で開発が進められていますが、まだ開発段階であるというのが肝です。運転実績がほとんどないのでトラブル時への予見が非常に立てづらいのが現状です。また既存のような国際的規制もSMRについては未整備です。

日本では今後導入が進むのでしょうか。海外企業がこぞって作り上げたプロトタイプをそのまま日本に輸入して建設するだけでは駄目だと思います。
日本の地震津波が多いという土地柄と、原発に対する国民の恐怖心が払拭できていないという2点を考慮に入れた上で開発を進めていく必要があると思いました。

最後までご覧いただきありがとうございました、ではまたあしたです。

 

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