株式会社MIYAVI

皆様への奉仕の精神で

【発電効率が良すぎる!】でも水力発電が普及できない理由とは?

 

皆様、こんにちは。今回は水力発電について調べてみました。水力発電はかなり昔からある印象ですが、いまいちどんな歴史を持ってどういうふうに稼働していないのか分かっていなかったのでエネルギー供給側の調べ物の一環として今回まとめました。ぜひ最後までご覧ください。地熱発電についてはこちらから⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

概要

水力発電はその名の通り水の力を利用して発電します。これまでの発電方法を調べてきて当たり前かもしれませんが、水の力を使ってタービンを回して発電機に電気を流し発電します。イメージとしては水車の超高速で超威力が強いバージョンと思ってもらえれば分かりやすいです。

水力発電に欠かせないのがダムです。ダムでは水をためておき発電したいときに水を流し電気に変えます。またダムがあるおかげで上流で降った雨が一気に川下に流れこんで洪水を起こしたりするのを防いだり、水量の調節機能も併せ持っています。

 

このようなダムありきの水力発電の歴史は古く、世界初の水力発電はあのエジソンだと言われています。日本でも1888年という、ほんの20年前くらいまでは江戸時代だった明治時代の初期には既に水力発電がありました。
電力会社として最初に水力発電をしたのは、関西では有名な「蹴上水力発電」です。1891年の創業でした。
琵琶湖疏水の舟運と、観光地としての蹴上インクラインとして関西では結構有名ですよね(笑)

その後、水力発電が日本では主流の発電方法となっておりましたが、火力発電も次第にシェアを獲得していきました。
でも、1960年代までは「水主火従」という言葉があったとおり水力発電を主として、火力発電が二番手だったようです。
現在では火力発電が完全に勝っていますが、脱炭素の流れから水力発電を含む再エネ発電にフォーカスされています。昔に日本で作った2000箇所を超える水力発電が実は今も多くが稼働しているのでそこをどう活用していくかが今後の脱炭素への鍵だと思います。

メリット

メリットとしては以下の3つです。

  • エネルギー変換効率が高い

  • 地球に優しい

  • 発電や管理コストが安い

1つ目のエネルギー変換効率が高いとはどういうことなのか。
火力発電の場合ですと、石炭火力を燃やしてその水蒸気や熱気でタービンを回しますが、その一部は排熱となってタービンを回す力に使われなかったりしてエネルギーは全部使われないことが多いです。

エネチェンジHP 水力発電とは

しかし水力発電の場合は元になっている水のエネルギ−は位置エネルギーです。位置エネルギーは水が上方にあるだけでエネルギーを持っています。
水力発電は、簡単に言えばそれを下方に流すだけでタービンが回るので余計なエネルギー排出が抑えられ、変換効率としては8割を超える高水準です。

 

2つ目は地球に優しいです。地球に優しいというのはもちろん二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しないクリーンな発電方法ということです。石油・石炭・LNGなど化石燃料も使用せず、燃焼もしないので脱炭素に適した発電方法を実は昔からやっていたというわけです。

また再生可能エネルギーとしての位置づけの由来は、水が循環することに由来します。水力発電に使った水は川に放流され、海に流れ込みます。海で水を十分に吸った雲が山に雨として降り注ぎ、またダムにたまります。このサイクルがあるので再生可能エネルギーであり、また資源も輸入に頼る必要もなくお金もかかりません。

3つ目はこのコストの利点です。水は身の回りに溢れ、調達コストもかかりません。発電所を建設してしまえば、山の奥地にとどまって管理する必要もなくなり、管理コストもほとんどかかりません。川に放流するときも今ではIoTで繋がったシステムで自動で行えます。

デメリット

次にデメリットですが、それは以下の2つです。

  • 環境に悪影響を及ぼすかもしれない

  • ダム新設は費用が掛かる

1つ目は環境に害悪であるということです。ダムを作るとなると非常に大きな範囲の土地が必要になってきます。ダムは主に山間部に多いので山の生態系に影響を少なからず及ぼします。

またダムを建設すると村が邪魔になってしまうこともあります。そういう時は村ごとダムの底に沈めてしまうのです。これまでも多くの山あいの村々がダムの底に沈んでいきました。動植物だけでなく人間生活にも住居移転など多大な影響を及ぼします。

2つ目はダムの新設には多大なお金がかかることです。

国交省から入手した資料によると、149基のダムが完成するまでに必要な建設費は総額で約9兆1000億円。当初の見積もりから2兆8000億円増えた。すでに約4兆5000億円は支出済みで、残りも今後10年以上かけて支出する。これとは別に新たに18基のダムも建設準備に入っている。

八ッ場あしたの会:https://yamba-net.org/37824/

八ッ場ダム一つ作るだけで約5320億円という数字も上がっており非常に驚きました。それだけ新設をするのはハードルが高いことです。

ただ、明るいニュースとして2021.12.11日経新聞の記事には、
化学メーカのデンカが新潟県北陸電力系の黒部川電力と協力して水力発電を新設するという投稿がありました。2022年4月には稼働を始めるそうです。新設するだけでも大変なのにデンカは環境に優しい流れ込み式という方式を使って発電するそうです。

また別の角度から攻めている企業もありました。黒部ダムを管理している企業は神奈川県のシステム会社の技術を取り入れ、ダムをIoTで賢く管理して発電効率を上げるというものでした。

 

ここで少しダムの話をしますが、山に雨が降るとダムでは川に水を放流します。大雨が降っているときに川に放流すると余計増水して洪水が起こってしまうのではないかと思われますが、実は違うのです。
放流してダムの水位を下げてダムに大量の水がたまらないようにしているのです。放流せずにダムに水をためているとダムが決壊して溜まっていた水全部が川に流れて洪水どころの騒ぎではなくなってしまうのです。
なので大雨の時は水位を下げます。

水力発電の話しに戻りますが、水位を下げると発電量が減ってしまいますよね。その発電量を下げないために、水位を下げる量をデジタルに1リットル単位で管理しています。放流量を精緻に予測して少しでも発電量をアップさせようともしています。水力発電所が新設できないからこそ、既存の発電所をバージョンアップして発電効率をあげようとするのは賢いですね。

まとめ

今回は簡単ですが水力発電について自分の勉強も兼ねて調べまとめました。最近では揚水発電も活発になってきました。揚水発電は水を上げて意図的に位置エネルギーを持たせるものです。太陽光発電風力発電で余った電力を使って位置エネルギーを作り出しているようで、電気の無駄が解消されています。

世界各国では脱炭素の流れから水力発電などの電気を利用して企業活動を行うことで環境意識の高い企業として評価されています。
例えばスウェーデンボルボ社は、電池工場を新設し、そこでの電力は水力発電で賄うそうです。
また、横浜銀行の全店舗は再エネの電力で賄うことを表明しており、本店は既に水力発電で賄っているそうです。

このような企業が続々と増え、脱炭素に向けて水力発電の比率が高まり、
かつての「水主火従」のようになってほしいと思いました。


最後までご覧いただきありがとうございました、またあしたです!

 

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com

kuborichan.hatenablog.com