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【充電プラグ不要時代到来?!】ワイヤレスEV充電技術とは?

皆様、こんにちは。今回はEVのワイヤレス充電技術について見ていきたいと思います。EVが普及しない理由の一つに充電設備の普及がまだなく、ガス欠ならぬ「電欠」の恐れがありEV購入に踏み切れないというのです。近頃は少しづつ日本でも充電スタンドが普及してきました。充電スタンドだけが、EV充電の「解」ではないと考えるスタートアップ企業も多く、事業内容が興味深かったので調べてみました。ぜひ最後までご覧ください。
以前のEV充電の記事はこちらから⬇

 

kuborichan.hatenablog.com

 

概要

EVの充電といえば主流になっているのはガソリンスタンドのように特定の場所に車を停車させて、充電スタンドから電気を受けて蓄電池に充電していくものです。普通充電では3時間以上、急速充電は15分程度で充電が完了します。

充電口はガソリン車の給油口のように車の後方部についているものや、日産リーフのようにボンネットの部分についているものがあります。充電する際にはその充電口に、ケーブルのプラグを差し込み充電します。しかしワイヤレス充電技術では、特に運転者が車外に出てケーブルを差し充電するという作業を省くことができます。

そんなの車外に出てソケットを差すだけか、車外に出ないでソケットを差さないだけかの違いじゃないか!と率直に思いました。ただ、この一動きも面倒くさいのが我々人間なのです(笑)
事実、スマホ充電にはワイヤレス充電器が普及しています。ただ充電器に差し込む簡単な動作だけしかないのに、それをただ円盤状の充電器の上に置くだけの動作に変えました。だから、EVのワイヤレス充電も今後普及していくのでは?と思っています。

磁界結合方式

磁界結合方式はワイヤレス充電の一方法であり、別名電磁誘導方式と呼ばれます。由来はもちろん電磁誘導という原理を使って充電するからです。
電磁誘導は中学の理科の実験でやって覚えているからもいるかと思います。コイルの中に磁石を出し入れして誘導電流を発生させ豆電球を灯すという実験です。

画像引用元https://tohokuseigyo.net/tcs_column_all/tcs_column_motor/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC2/

この実験で得られるのは、コイルの周りには磁界は存在しており、磁石を出し入れすることで磁界の乱れを起こしそれが電気として取り出されます。その乱れをより強力にして、より強力な電力を起こすには、コイルの巻数を増やす、磁石を高速で動かす、磁石の磁力を強く変えることです。ちなみに発電機では、磁石の向きがくるくると回転して変わることで電気を起こしています。

ここで話を戻すと、スマホのワイヤレス充電器パッドの中には送電用のコイルが内蔵されており、磁界が発生しています。また、スマホの内部にも受電用のコイルが内蔵されており、磁界が発生しています。充電器パッドとスマホを重ね合わせることで各々の磁界に乱れが生じ、誘導電流がスマホに流れ蓄電池に充電されていきます。

この電磁誘導がEVの充電にも応用できるというのです。EVの先端あたりに受電用コイルを取り付け、充電パッドの近くに停車させれば自動的に充電が始まります。ただ、この磁界結合方式(電磁誘導方式)には欠点があり、送電用コイルと受電用コイルの距離が数cm〜数十cmの間に留めなければなりません。スマホのワイヤレス充電でも、スマホがパッドの中心に置かれていないと上手く充電されていないときがあります。

これを車でやれというのはかなりの運転技術が必要です。送電、受電側の両コイルの位置ずれにシビアな点からは車には不向きであると言われています。したがって主に使われているのは、スマホの充電、電動歯ブラシ、電動シェーバーの充電など位置ずれが生じにくい小型なものです。またワイヤレス給電全般に言えますが、非接触なので漏電や感電の心配がなく、水回りなどに使う電化製品なんかに使われることが多いです。

磁界共鳴方式

磁界共鳴方式は磁界結合方式の仲間で、磁界を共鳴させ合うことで誘導電流を流します。音楽の授業や物理の授業で登場した音叉のように、共鳴させるのです。共鳴方式によって2007年にマサチューセッツ工科大学の研究チームが2メートル離れた60Wの電球を光らせました。

実はEVにはこの方法が最も適していると言われており、磁界共鳴方式はコイルとコイルが数cm〜数mまで離れても誘導電流が流れます。なのでEVであっても、パッドのコイル部分にぴったりと停車させる必要もなくなります。

欠点としては、共振、共鳴をお互いで維持させるために複雑な回路が必要になり構造も重くなってしまったり、大きな電力を流すと発熱しやすくなることです。

電界結合方式

磁界結合方式に対して電界結合方式というのもあります。
磁界結合方式と同様に電界を起こしてそれを結合、接地させることで電流が流れEV内の蓄電池に充電されます。送電側のアクティブ電極、パッシブ電極と受電側のアクティブ電極、パッシブ電極の二組の対をなしており、送電側から高い電圧の電流を流すと、片一方の受電側にも電流を流します。

遠藤哲夫氏、崎原孫周氏の「電界結合方式ワイヤレス給電による 走行中給電技術の開発」という論文によると、電界結合方式の特徴は、

  1. 走行しながら充電できる

  2. 敷設コストが安価

  3. 漏えい電磁界が少ない

  4. 位置ずれに強い

というのがあります。1つ目の走りながら充電できるというのは画期的なことですね。走っていいれば自然と充電され、充電スタンドを探す手間や、電欠の心配もなくなりEVが普及するきっかけになりそうです。
残念ながらまだ実験段階ですが、10年後には広まっている可能性があります。アスファルトの地面の下に電極板を埋め込み、その上を走ったEVが充電されます。トロリーバスや電車がパントグラフを使って電気を得ているようなものが、地下に入ってワイヤレスになったイメージです。

2は意外ですが、設置する時のコストが安いというのです。材料は電極、アスファルト、コンクリートぐらいで、高度な技術が用いられている充電パッドよりも安価だそうです。個人的には今あるアスファルトを全部剥がして電極を入れてまた埋め直してという人件費などのほうが掛かる印象ですが、トータルで見ても安価だそうです。古くなったアスファルトを剥がす工事と一緒にやれば一石二鳥なので、そのようにゆっくりと日本全国に普及していくのかもしれませんね。

3つ目は漏えい電磁界が少ないとのことですが、電極−ホイール間に電界が集中しており、更に電極−ホイール間の距離も短いため、電磁界漏えい量が少なくなると説明しています。つまり無駄になってしまう、放電状態の電磁界が少ないということですね。ちなみに、この道路に埋め込む電極からは放電されているわけではないので、この道路の上を金属の入った靴で歩いても感電はしません。そもそも、仮に電極から放電していればアスファルトやゴム製の車のタイヤは通りませんからね。電界を起こしているので人間にも無害だそうです。

4つ目は磁界結合方式と比べて位置ずれに強いのです。電極と電極の間にある電界を用いていますが、単純に道路の下に設置する電極を巨大にすれば良いからです。またタイヤは常に地面に設置しているので不接触や位置ずれが起きにくいのです。

まとめ

今回はワイヤレスのEV充電方法を見てきました。随分理科的な話になってしまいましたが、充電プラグをEVに差し込まなくても良い技術が開発されているというのは、世界のEV化をどんどん後押ししますね。次回はこのワイヤレス充電に取り組む企業に迫っていきます。
最後までご覧いただきありがとうございました、ではまた明日です❗

 

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